なにか、美人スイマーのおねえさんに見初められたと勘違いしてから毎日の総距離が5k近くになっていた。そこで、目標値を5k必達にとりあえず修正した。毎日5kを達成できれば、美人スイマーに認められると思いこんだ。
その日以来、俺は千葉公園プールに行って、再び美人スイマーに会い個人教授されることを毎日夢見て通い続けた。しかし、40過ぎて今なお、未だ実現されるに至っていない。
とまぁ、馬鹿な思ひ出に浸りつつ、競泳プールのプールサイドを抜けて子供プールに向かった。暑さもピークにあり、ギラギラの太陽も今まさに天頂にあるが、千葉公園プールは緑に包まれており、喧噪の中にもしっとりとした落ち着いたムードがある。実際、これが犢橋温水プールだったとしたら、入場まで1時間以上は待たされるし、やっとの思いで入れたとしても芋洗いで、楽しめたものではない。
ところが千葉公園プールは、適度な人口密度で、思う存分とは言えないまでも、そこそこ余裕を持ちつつ楽しめる。つまり、あまり混み合っていないのだ。早速、水にはいると、子供プールは底が浅いので、水もギラギラ太陽に熱せられている。ひんやりとは行かないが、中距離サイクリングで火照った身体を癒すには、ちょうど良いちょっとぬるめの温泉のようだった。