準々決勝あたりからは、熟考する子も居て、チェスクロックを使う場面も出てくる。カズは、今でこそ使いこなせるようになったが、1年前、これの使い方が分からずに大会に出てしまったことがある。その時には、事前に説明があったから、俺も含めて慎重に説明に耳を傾けた。時計はたいていシチズン製のデジタルクロック。
持ち時間はだいたいが15分か20分。それを過ぎると1手30秒以内で指すことになる。その時に登場するのがこのチェスクロックだ。先手の右側に置き、1手指すごとに指した手で時計の頭にあるボタンを押す。5秒前にブザーが鳴る。鳴り終わるまでに指さないと負けになる。これが結構はらはらどきどきなのだ。ちょうどNHK将棋の時間で秒読みをするお姉さんの変わりなのだ。だったらもう少ししなを作ってくれればいいのに、機械だけに容赦ない。
将棋の力が拮抗していると、このチェスクロックにより思考時間を制限して、勝負を早く切り上げさせるという手な訳だ。本当に大きな大会、俺が今まで目にした大会ではJTの子供将棋大会では、チェスクロックによる時間切れ負けなんて場面を何度も見かけた。やはり、時間が制限されると焦るのは、組立ラインも将棋も同じなようだ。