さて もう一歩も動けない状態から やや回復するも 動きたくない 丘の上の東屋では 父子が 地図を広げている 小学4年生ぐらいの男の子は 父親とサイクリングに来て 休憩しているようだった 帰りを思案していたので 地図を見せて貰う為に話しかけた
「ここから一番近くの駅はどこですか?」とおれ
「えーと 佐倉になりますね 296まで戻るとすぐですね」と父親
「どのくらいあります」とおれ
「3kから4k 5kはないと思いますよ」と 父親 地図を見せてくれて 示してくれる
「ありがとうございます」というと 子供もにっこり微笑みかけてくれるので勇気がわくが 5kも走れないし 歩けない 歩きたくない
しばし 呆然と空を見つめていると 視線の先に コンビニのような建屋が見えたので 水分補給のため歩くことにする
まあ 200mほどなので 何とか到着 コンビニに見えたのは 釣り具屋で 隣がラーメン屋になっている 昼が近かったので そこでラーメンを食べて ラーメン屋の親爺にバスがないか聞いてみることにする 1杯500円のラーメンを注文して 2.3口食ったところで バス停について聞いてみると
「すぐ隣がバス停だよ 何パンクでもしたの?」と親爺
「いいえ マリンスタジアムの方から走ってきました もう限界なので 電車で帰ります」とおれ ちょうど 走ってきたことを誰かに自慢したかったので この質問はタイムリーだった
「へぇ すごいねぇ 若いっていいねぇ」と親爺が言う
どう見ても 年恰好からいって 50前後に見える ひょっとしたら おいらよりもこの親爺の方がわかいかもしれないと思いつつ 支払いして店を出ようとすると
「バスの時間まで 店で休んでいていいよ」と云ってくれる
なんとも心温まる お言葉 見知らぬ土地での優しさってやつでしょうか?ささやかながら体験できたのはちょっと嬉しい
バスの時間をみると 30分ほどで来ることがわかった 自動販売機小屋の脇にトイレ小屋がある そのぼっとん便所で小便をすると そのまま垂れ流しで 印旛沼に続いている 所謂 生放流と云う奴だろうか 確か下流は 柏井浄水場で うちの水も元をただせば 印旛沼だ 故にこの生放流は 巡り巡って うちに到達すると思うと ぞーっとする
さて 煮え切らない気分で小便を済ますと バスが来るまでの時間を ラーメン屋さんの軒下の風通しのいいベンチで過ごさせてもらうことにした 吹き出した汗は まだ止まらないが 5月の風は 爽やかに感じる
もうすぐ俺も49かぁと ふと思ったりもした 暫くすると マイクロバスが到着 スイカで支払おうと思ったが 田舎のバスはそんな物ついていない 京成佐倉駅まで 300円を現金で払う