千葉公園プールには、当時大学生と思しき体育会系スイマーが監視員としていた。大抵は男の監視員だったが、その日は、美人監視員もおったのだった。
最初俺はそのことに気がつかずに、いつものようにノルマ達成に向けて必死に泳いでいた。俺はあまりターンがうまくなかった。本来ターンは、水中ターンが原則だったが、2回に1回、どうしても顔を出して息継ぎしてしまうのが当時、俺の悪い癖だった。
そのターンの息継ぎで顔を上げたときに、俺に話しかけたおねぇさんがいた。それが監視員をしている美人スイマーだった。最初、注意を受けたのかと思って、泳ぎを中止した。すると
「君は、どこかの水泳部に所属しているの?」とその美人スイマーは聞いてきた
「いいえ、何処にも所属していません」と俺は答えた
「さっきから、一生懸命泳いでいるから、どこかの水泳部に所属している練習生かと思ったの。邪魔してごめんなさい」と美人スイマー
「いいえ、じゃぁ」と俺
なんとも、芸がなく答えまた、ノルマ達成に向けて泳ぎに精を出す。美人おねぇさんに話しかけられて、ちょっと気分が良くなりそれまでの疲れが吹き飛んだ。ストロークのピッチも上がり、いつもよりも早く泳ぐことが出来た。