電話を終えて、元の席に戻ると、周りは静かになっており、二回目の対局が始まったことが分かる。「クジラの朝帰り」と言う本に目を落とす。夏だし、どこかの海にクジラウオッチグに行くのも悪くないなぁなどとふと考える。今年の夏の予定はまだ立てていない。子供の山村留学が予定されているので、家族旅行はなしになる公算が大きかった。山村留学とは、昔で言うと林間学校であろうか。長野方面の農家に四泊五日でホームステイする学校の行事だ。そこで、農家の人の仕事を手伝ったり、地元の小学生と交流したりとなかなか魅力的な内容が案内書には記載されていた。子供が成長するにつれて、だんだんと家族で過ごす時間も少なくなっていくのであろうか。ましてうちは、3人も子供がいるから、将来にわたって家族が5人顔を揃えるのは、これからだんだんと制約が増えてくるかも知れない。
なぞ思いに耽っていると、また周りがざわめいてきて2回目の対戦が終わりつつあるようだ。