今年最後のレースは、皇居ラン30k。
1月のマリンハーフと、2月の東京マラソンの中間距離。
ハーフの持久力と、フルのスピードを計る位置づけにしている。
出来ることなら、ハーフでの持ちタイム更新しながら、
30k走り切りたい。が、とりあえず、タイムは3時間切ればよしとする。
練習では、3時間切ることは、稀だしね。
いかに練習では、漫然と走っているかだね。
さて、皇居は、比較的アップダウンがある。
スタートの桜田門から、竹橋辺りまでは、ほぼ平坦。
竹橋過ぎて、九段下からは上り坂。千鳥ヶ淵がピークでそこからは、一気に下り坂。
この下り坂が、お堀沿い左に折れており、眺めがいい。
ついでに、都会のレースは、華やかだ。
若いおねぇちゃんも多い。年増もいるがね。
ウエアーもお肌もぴちぴちって感じで、さすがに気も漫ろ。
おいおい、これからレースだっチューのに、落ち着け落ち着け。
おのぼりさん的田舎もん丸出しだね。
さて、去年初めて走った時は、25kから脚にきてしまって、
スローダウン。なんとか、3時間は切れたが、フルマラソンには、
不安が残った。さて、今年は?
出場選手は、去年よりも多い。50人ぐらいか。
カラフルなウエアーは、都会的なギャル。
スタート前に、一緒に記念撮影があるのがうれしい。
ところが、となりは、もっさいおっさんと写ってしまったのは、悲しい宿命であるかな。
スタートして、1周目は比較的走りやすい。
ぐんぐんスピードを増して、1週目のラップは24分11秒。
早すぎる。5kの練習でもそんなに早く走ったことないのに、
最後までもつか、不安。早速心臓がバクバクしてくる。
こりゃぁいかんいかん。どうせなら、
おねぇちゃんのケツでも見てドキドキしたいものだが、その余裕すらない。
ちょっとペースを落とす。がここで、TAIMEXが無表示。
いわゆる電池切れ。こんなときに全く。
日頃何やってんだかね。この肝心な時の備えが出来ていない。
仕方ない、感で走るしかない。
いつものように行ける所まで行って、後はどうにでもなれって感じ。
練習でも30kまでなら、何度も走っているから、
よもや、途中棄権はあり得ない。
しかし、今日のペースは尋常じゃないオーバーペース。
あわよくば、ハーフの自己記録更新を狙っているが、
そこまでもつか疑問。都内の大会は、可愛い子も多いが、周りを見る余裕もない。
せっかくだし、もっと、カワイ子ちゃんのケツでも見ながら、リラックスして走りたいもんだね。
とは言うものの、ここにきて、後ろから抜かされるのが現れる。
その中にはおねぇちゃんもいる。糞うって感じだが仕方ない。
しょうがないを3回云ったら、知恵がないと思えとは、現場の鉄則。
さしづめ、スポーツでしょうがないを3回云ったら、勝負はできないと思え、か。
結局20k過ぎでペースダウン。なんとか、1時間50分は切っているような感じ。
なにしろ、時計は、スタート地点の時計台が頼り。
途中3.5k地点でタイムを教えてくれる係の人が居るので、
それも貴重な情報。23.5k地点で、2時間7分14秒。
ちょっと、ペース落ちが激しい。
28.5kは、2時間34分12秒。むむむむ。
係のスタッフのおねぇさんは、やさしく微笑みかけてくれるから、
苦しい顔も一瞬にこやかにふるまうが、すぎればまた、元の情けない顔に
戻ってしまうのが根性ない。
のこり1kちょっと。もう、脚が上がらない。さっきから、すり足方法に変えて何とか
脚だけ前に出しているが、傍目には情けない姿が容易に想像できる。
今日は、コースはオープンだから、て云うか皇居コースはいつもオープン。
サンデーランナーのおねぇちゃんが脇を追い抜いて行く。
澄ました顔のおねぇちゃんは、遅い。しかし、それよりも俺は遅い。情けない。
最後の力を振り絞って追い抜かすが、すぐにまた抜かれてしまう。
亀の様なデッドヒートを繰り返しつつ、前方には、銀座の街並みが見渡せる。
銀座の夜で一杯やりたいなどと思うが、今はそんなのどうでもいい感じ。
早く終わって、銭湯で脹脛をもみほぐしたい。
最近練習で、どんなにゆっくり走っても28k過ぎで、脚が攣りそうになる。
なんとか30kは、走り切るのだが、すぐ両足が攣る。限界かなとも思う。
「練習さえし続ければ、必ず目標に近づく」とは、中村俊輔の言葉で、日々信じて練習を積んできたが、50過ぎた親爺には、虚しい言葉だったかもしれない。
銀座の街並みを、眺めつつ、蜃気楼のように景色が霞む。
ヤバいやばい。腹が減って目が回ってきたか。
昼の12時半スタートだから、昼飯抜きでここまで来た。
朝だって、納豆ご飯とバナナとチオビタのみだし、
走り始めてからは、水分補給があるものの、食べ物の補給はない。
練習でいつもすきっぱらで走っていること思えば、ぜいたくは言えない。
走り終わったら、暖かいそばでも、若いおねぇ様と一緒に食べたいなぁなどと呑気に
考えている場合ではないが、とにかく腹は減った。
レース前は、体重(-2k)落としているから尚更だ。
転びそうな具合で桜田門をくぐって、最後のラストスパートでゴール。
時計台の針は、3時間には、10分ほど手前をさしているから、
かろうじて、最低目標は達成か。
周りを見ると、もう陽もだいぶ傾いてきて、黄昏って感じ。
カワイ子ちゃんランナーは比較的短い距離に出ているから、
既にゴールしており、周囲はごっつい野郎ばかりが群れをなしている。
そそくさと着替えを済ませて、攣った脚をひきるるように、
いそいそと地下鉄の駅に向かう。
子供と約束した湯島天神様のお札を貰わねば、家には入れてもらえない。
日没まで、まだ間はあるものの冬の黄昏時は、暮れるのも速い。
天神様にお参りするまでは、腹ごしらえもおわずけ。
2013年の年末もこうして暮れて行くのであった。