浜辺には人が少なくなり、海の家のにぎわいもひと段落する。地元の人たちだろうか、海水浴客が居る頃には、できない波乗りを楽しんでいる。当時、海の男を目指していた圭三君は、そんな光景に目を奪われていた。
宿に戻って風呂に入ると、焼けた肌に湯がすごく熱かった。「あぢい、あぢい」といいながら、3人そろってカラスの行水だった。風呂を上がると食堂には、既に料理が並べられていた。食堂とはいっても、民宿の入り口にある土間にテーブルがあるだけだった。サンダルをつっかけて席につくと、ゴージャスな晩飯だった。刺身は、イカにタコにマグロは赤身と顔ぶれは庶民派だが、サザエのつぼ焼きに、とりかつフライに山盛りのキャベツ群は、昼間いっぱい体を動かした僕達には嬉しいボリュームだった。