銀座8丁目の飲み屋街一角に、忽然と佇む銭湯がある。金春湯。
銀座に銭湯があると仲間から聞いたので、雨の中、歩き回ったが、たどり着くことができた。
今日は大崎本社で仕事があり、4時過ぎには終わってしまった。
そのまま千葉に帰っても定時間を過ぎてしまう。
やーめた。ってことにして、一風呂浴びてくることにした。
入口の間口は狭いが、奥行きのある通路を通っていくと再び入口がある。受付がないのが、気になったが中に入ると、番台におばちゃんが座っている。例のごとく、札で支払いおつりをもらう間、向こう側をのぞいて見るが、うまく見えないようになっている。うーむ。
脱衣場は狭く、坪庭らしきものも無い。入浴料は420円の統一料金だから、土地が高い銀座では、望むべくも無いか。壁画は、金魚というのは、東京を表しているのだろうか。
湯桶は、けろりんではなくモモテツとある。デザインはけろりんと同じ。でも、頭痛・生理通には効かないようだ。湯舟は熱めの半身湯(普通の深さ)とぬるめの深いのとがある。
シャワーは取外しができない構造で、首だけが角度を変えられる。他の銭湯でもこれは同じ。
脱衣場には、早咲きの紫陽花が活けられている。このおばちゃんが活けたのだろうか?
なかなか、風流だ。
湯上りは、コーシー牛乳と相場は決まっているが、今日は、焼酎を持ってきたので、縁台風の腰掛に座って、柿の種をつまみに飲む。さつきの公民館で借りた最近嵌っている東野圭吾に目を通す。至上の時がゆっくりと過ぎていく。
すると、どこからともなく、長い髪を束ねたクラブのおねぇちゃん風小粋な美人が目の前に現れ、自販機でドリンクを買って、風のように去って行った。その間数秒の出来事であったが、俺はあっけに取られ、しばし呆然。香水の匂いだけがうっすらと残る。
ここは、やはり銀座なんだと改めて思ふ。
外は、まだ雨が降っている。宵も深まり、酔いもまわって、なんか、しっとりとしていい気分。