「パラララ、パラララ ぶぉん ぶぉーん」
とやたら騒々しく一個連隊50名ほどが、真夏の朝の白浜に突如現れた。連中は、バイクを置いて浜辺に来ると、ムシロもシートも敷かずに横になって眠っている。そーっと近づいてみると、中には年端もいかない女の子も居て、突っ張ってはいるものの、結構可愛い子が多かった。中には、朝のすがすがしい太陽の下でこれはちょっと、暑苦しい光景である接吻なぞをしている子達も居た。
それがなんとなくまぶしい光景に写ったのは、せつなさと言うか、あるいは哀愁とでも言うか、はたまたおのれのわびしさから来る羨望だったかもしれない。「ちぇっ」と一声はいてみて、現実に戻る思考に変えた。そもそも、俺たちはここに何しに来たんだっけ。そうそう、海水浴だよ海水浴。海だよ海、目の前には無限の世界、太平洋がある。