さて、話を伊豆の白浜に戻そう。朝の8時過ぎにちょっと早めではあったが海に入ることにした。当時は今みたいにサーフパンツなんてしゃれたものはなく、僕たちの海パンは、バミューダだった。髪も長くパーマをかけていたので、「こんにちは、おばはん」って感じだった。
なにが、「こんにちは、おばはん」なのかと言うと、それは特にわけなぞない。まあ、強いて言えば、寝起きのむさくるしい髪が、今でいうところのボンバー頭になっていて、凹凸のないはれぼったいおのれの顔が、そのいわゆる「こんにちは、おばはん」てわけだ。
さて、海についてしばしボーっとしていると、はるか遠くから、爆音が聞こえてくる。それがだんだんと近づいて、大きくなってくると一個連隊の暴走族だった。